靴を履く前の、つまむ、引く、結ぶ、微調整するという動きは、誰にとっても同じように簡単とは限らない。ASICSのGEL-DS TRAINER LOOPは、その動作を捉え直し、甲に指をかけられるループを設けた。少ない動作で着脱とフィット感の調整を行えるスポーツスタイルシューズだ。2026年10月15日に日本で発売され、税込希望小売価格は18,700円。ブラック系とシルバーグレー系の2色を用意する。
ブラックの俯瞰写真では甲のループとひもの配置が見える。ループ式レーシングはどう動かす?
ASICSの説明では、甲のループに指をかけ、上へ引き、左右に動かすことで、片手で着脱や締め付けの調整ができる。変えているのは靴ひもの操作であり、電動の結束機構やセンサー、スマートフォンによる制御を加えたものではない。俯瞰の商品写真でも、ひもは甲の中央に収まり、ループが靴全体の線につながっている。外に電子機器を付け足したような形ではない。
ブランドによると、開発には義足を使う人、下半身の可動域に制限がある人、麻痺によって細かな動きが難しい人などが協力し、複数回のフィッティングから改良を重ねた。自分で操作できるかを設計の中に置くことで、日常の小さな障壁を具体的にしている。ただし使いやすさは手の動きや足型、サイズにも左右されるため、機構の説明だけで個人の試着判断を置き換えることはできない。
日常の服に合わせるレトロランニングの外観
2000年代後半のランニングシューズ、GEL-DS TRAINER 14をベースに現代的なアレンジを施した。ブラックにはガンメタル、もう一方にはピードモントグレーとピュアシルバーを組み合わせる。メタリックなラインが側面や前足部へ延び、メッシュと重ねたパーツがレトロなランニングシューズの層を残す。同じ輪郭でも、ブラックは視覚的にまとまり、シルバーグレーは光で各層を見分けやすい。
ブラックの側面にメタリックなラインと重ねたパーツを配した。
シルバーグレーは淡いメッシュにメタリックなパーツを重ねる。公式の位置づけは日常向けのSportStyleだ。原型がランニングシューズだからといって、新作を競技用や特定の運動処方に対応する専門靴と考えることはできない。通勤や外出、着こなしを主な用途にするなら、履くまでの手順や調整できる範囲、メタリックな表情が普段の服に合うかを比べたい。機能と見た目を一つの選択として考えられる。
サイズ、素材、日本での取扱先
品番は1203A821で、公式ウイズはスタンダード。23.0〜29.5cmを0.5cm刻みで用意し、別に30.5cmがある。甲材は合成繊維、人工皮革、合成樹脂、アウターソールはゴム底で、カンボジア製。これらはモデルと素材を確認する手がかりになるが、スタンダード表記があらゆる足幅に合うことを意味するわけではない。必要な動きや普段の靴下も含めて試着したい。
公式の着用写真では、義足を使う人がブラックを履いている。日本の発表された取扱先は、ASICSオンラインストア、新宿旗艦店、グランフロント大阪、名古屋のポップアップストア。まずGEL-DS TRAINER LOOP公式商品情報を調べ、サイズと在庫を店に確認するとよい。慣れた動きを分解して考え、その新しい仕組みを見慣れた日常靴へ戻している点に、このデザインのヒントがある。