カナダで2店舗目となるKithの旗艦店は、バンクーバーのOakridge Park、North Arcadeにブランドの世界を広げる。10月23日に開業したKith Vancouverには、メンズ、ウィメンズ、キッズと専用のKith Treats空間が集まり、Ronnie FiegとPorto ArchitectureのBen Portoが共同で計画した。新商品だけを見るよりも、濃い木の壁、明るいウィメンズ空間、独立したデザートの入口から、ひとつの住所に異なる滞在の仕方をつくる方法が見えてくる。
濃色の木と石が、メンズの入口をシューズ空間へつなぐ
メンズエリアはウォールナット、真鍮の細部、Kith Crest柄のベルベットパネルで落ち着いた背景をつくり、中央のCalacatta Vagli大理石ケースが明るい面を加える。服は壁沿いに、アクセサリーはケースに配され、色彩の主役を商品に譲る。季節の異なるアイテムを並べながら、入口を巨大なロゴだけの空間にしない配置だ。
濃いウォールナットと中央の石材ケースがメンズ空間をつくる。Belvedere石材の敷居からメンズシューズエリアへ進むと、磨かれたベネチアンプラスターと水平の棚が壁へ視線を導く。写真ではベンチと棚の間に中央の余白があり、靴を手に取る、座る、比べるという動作の順序を読み取りやすい。暗い色調の中でも、木、左官、石、金属はそれぞれ違う光の反射を担っている。
水平の靴棚とベンチが、メンズシューズ空間に明快な秩序を与える。ウィメンズとキッズは、明るい素材でリズムを変える
ウィメンズには別のパティオ入口があり、ホワイトオークのシェブロン張りの床、Rosa Auroraのカウンター、Emerald Quartziteなどの石材がメンズとの明度差をつくる。椅子と低いテーブルは居間に近い滞在感を残し、ジュエリー、バッグ、服、シューズを異なる展示面へ分ける。無関係な別店舗ではなく、素材と光によって同じブランドの口調を切り替える空間だ。
明るい木、石、座席が空間の雰囲気を切り替える。
自然光によって床と展示に別の奥行きが生まれる。Kith Kidsには雲のような天井と座席、ミントグリーン、鮮明な展示ボックスがあり、大人のエリアと異なるスケールを持たせている。かわいい柄を増やすだけでなく、子ども服や靴のサイズ、手を伸ばす高さの見せ方にも関わる。公式の店内写真を比べると、統一感はすべての壁を同じ色にすることだけでは生まれないとわかる。
Kith Treatsには専用入口。買い物の一部だけを楽しむ使い方も
Kith TreatsはNorth Arcadeから単独で入ることができ、物販エリアとも内部でつながる。Rosa Portugaloのカウンター、Azul Cieloの入口上部、White Carrara、ステンレスが使われている。独立した入口により、デザートと衣服は異なる利用のリズムを持てる。買い物後に立ち寄ることも、短時間だけ訪れることもできるが、メニューと提供状況は当日の店舗情報で確認したい。
Treatsと服の店舗は入口を分け、内部のつながりも残す。新店はOakridge ParkのWest 41st Avenueにあり、公式営業時間は月〜水曜10〜19時、木〜土曜10〜21時、日曜11〜19時。Kith公式のバンクーバー店紹介で確認できる。開業に合わせたSalomonシューズの先行展開もあるが、長く見ておきたいのは光と動線だ。棚から座席へ、濃い木から淡い石へとつなぎ、異なるペースの人を同じブランドの中に受け入れている。