見慣れたコートは、変化した着方にどう応えられるだろう。SANYOCOATはブランド80周年の2026年、2013年発売の「100年コート」スタンダードモデルを初めて本格的に刷新した。日本ではすでに販売され、メンズのバルマカーンコートは税込148,500円、ダブルトレンチコートは154,000円。目立つコラボのマークを足すのではなく、重さの分散、袖の比率、裏地に更新の焦点を置く。
重さを肩だけで受け止めない
上位の「極KIWAMI」で培ったパターン技術を標準モデルへ応用し、コートと身体の接し方を設計し直した。肩だけでなく体幹へも重さを分散させることを目指している。これは構造と着用感についてのブランドの説明であり、衣服自体が何%軽くなったという数値ではない。今回のスタンダードモデルは、別に発売されているライトウェイトモデルとも区別したい。
袖まわりや全体のバランスも見直し、縦のラインと適度なゆとりを残して現代の装いにつなげている。シャツ、ニット、ジャケットを中で着分ける人なら、腕を上げる、前へ伸ばす、前を閉じるといった動きを試着で比べたい。写真は輪郭を伝えるが、肩への実際のかかり方は着る人が確認すべきで、平置き写真だけで全員が同じ感覚になるとは判断できない。
襟、ボタン、三陽格子を見る
表地は耐久はっ水加工を施した高密度コットンギャバジンで、防水レインコートという意味ではない。縫製は1969年創立のサンヨーソーイング青森ファクトリーが担当し、襟付けやボタン付けなどに職人の手仕事を残す。近接写真にはボタンと生地の間の糸足も写り、遠くからの輪郭だけでは分からない組み立て方を伝えている。
ライナー背裏には三陽格子とブランドラベルが見える。
ボタンと生地の間に設けた糸足を捉えた細部写真。ライナー背裏には三陽格子を採用し、脱いだときに現れるブランドの目印とした。メンズ2型はいずれもネイビーとベージュ、サイズはS〜LL。バルマカーンのすっきりした前開きと、ダブルトレンチの前面構造の違いが選ぶ基準になる。シリーズにはウィメンズ4型もあるが、赤いショートトレンチの色をそのままメンズの展開色と考えることはできない。
メンズのバルマカーンは簡潔な前開きと縦のラインを見せる。
ベルト、ラペル、ボタンがダブルトレンチの前面を形づくる。「100年」はケアとの関係を示す言葉
2013年から世代を超えた長い使用を目指してきた「100年コート」には、「100年オーナープラン」がある。公開された案内では、購入後3年ごとのオフシーズンに規定に沿って預かり、診断を行い、一部のボタンの緩み直しは無償で対応する。袖口や裾の擦り切れなどは有償となる場合がある。申し込みや受け付けに条件があり、手入れ不要、あらゆる損傷の無料修理、100年間の実使用を保証する名前ではない。
コートを縫製するサンヨーソーイング青森ファクトリー。長期のワードローブを考えるなら、初回の価格とともに、パターンや日頃の手入れ、後の修理まで比べたい。まずSANYOCOAT公式シリーズページで型を調べ、サイズとケア制度を店舗へ確認するとよい。今回の更新は、クラシックであることが変化を止める意味ではなく、第一印象では見えにくい構造も暮らしに応え続けるという、具体的な手がかりを示している。