FORM Arcosantiの会場は、建築家Paolo Soleriが1970年に手がけた実験都市Arcosantiの中に建つ。この街自体が「アーバン・ラボラトリー」構想のもとに生まれたもので、住居、円形劇場、工房、カフェなどが全て山の斜面に沿って設計されている。音楽祭創設者のZach Tetreaultは2014年、バンド仲間のPaul Gieseとアメリカ横断ドライブの最中にこの地を発見。その年、自身のバンドHundred Watersのアルバム『The Moon Rang Like a Bell』の発表イベントとして、300人を無料招待する形で第1回を開催した。以来、Charli XCX、Mitski、Florence + The Machine、Beck、Solangeらが出演しており、毎年驚きのラインナップを更新し続けている。
今年のトリを飾ったのはLorde。ステージに上げたのは楽器奏者2人のみで、そのうち1人は『Virgin』のメインプロデューサーJim E. Stack。ステージ上にはArcosanti現地製のCosanti銅鐘が置かれていた。このパフォーマンスは、1年にわたるUltrasound World Tourの最後から2番目の公演として、FORM Arcosantiのために特別に組まれたコンパクト版で、彼女自身これを「儀式」と呼んだ。ミックスではボーカルが意図的に強調され、生々しく剥き出しの質感に。〈Green Light〉をむき出しのテクノ・バージョンにアレンジした瞬間は、会場中の足を止めるこの日最大のハイライトとなった。
Tetreaultは、この音楽祭を自分自身にとって、そしてCoachellaやLollapaloozaのような規模にすっかり慣れた業界人の多くにとっても「浄化」のような存在だと語る。しかし、気候がますます不安定化する惑星上で小規模音楽祭を開催する代償は変わりつつある。同じ月内に、ニューヨークのAll Things Go NYCとGlobal Citizen Festival、カリフォルニア州インディオのHeadTrip、メリーランド州オーシャンシティのOceans Callingも、いずれも異常気象により中止を余儀なくされた。音楽祭終了から2日後、Tetreaultはメッセージでこう記した。「天候は、私たちがますますコントロールできなくなっている変数になりつつあります。正直なところ、これは多くの意味で恐ろしいことです」。全面中止を計画していたわけではなかったが、天候条件がそれ以上の続行を許さなかったという。
FORM Arcosanti 2026の3日間通しチケットは約1,000ドル。次回の開催日程およびラインナップは未発表。