バンドの再始動は、新作とツアーだけで語られるとは限らない。Joe Hahn監督の「LINKIN PARK: UNSHATTER」は、録音、舞台裏、サンパウロ公演を一本にまとめ、関連するフィジカル作品の企画は音楽をイラストや包装、収集へ広げる。香港で10月15日に公開されたインタビューは、近況を視覚創作から読む入口となる。
Linkin Parkのグループ画像。
Linkin Parkのステージ画像。メンバーが自分のバンドを撮る時、何を見る?
Hahnはメンバーと監督を兼ね、長年の仲間に近づける一方、カメラと編集も出来事の内側に置かれる。インタビューではこれまで築いた信頼関係と、再集結の過程をファンに伝える責任を語る。録音室の会話が舞台へどうつながり、何が残され、どんな転換が編集で成立するかに注目できる。
一夜の完成した演奏を記録するコンサート映像と、制作が定まる前を示す舞台裏では読み方が違う。新旧の曲数だけでなく、協働関係の変化がどう示されるかを比較したい。本稿は試写評ではなく、未鑑賞の場面から映画の成功を判断するものではない。
金継ぎの比喩は新章をどう説明する?
Hahnは金継ぎを挙げ、修復の跡も器の一部になると語る。これは彼自身の理解で、全員の感情を代表するとは限らない。観客には、過去を残しながら新しい関係や創作をどう見せるか、という具体的な問いになる。
時間軸は2022年の創作の再探索から、2024年11月15日のサンパウロ公演と「From Zero」発売へ進む。この間隔が、再始動を単なる発表日以上の過程にする。アルバムをこの時間軸で聴き直せば、音と映像がそれぞれ何を伝えるかを考えられる。
寺田克也の絵とボックスをなぜ見る?
映画に合わせ、Linkin Parkは東京のPeace & After、香港のJOYCEとボックスセットの企画を行い、寺田克也が絵を担当した。音楽、服飾文化、手に取れる物が交わる企画だ。Hahnはジャケット、ブックレット、包装が音楽との別の関係をつくると話すが、これは体験の話で、資産価値や転売価格の約束ではない。
コラボ服の図像が音楽を広げる。デザイン好きなら、図像が大きさや表面でどう読まれるかを見たい。遠くで見える輪郭、近づいて分かる細部、箱を開ける順序はそれぞれ違う。購入時は正式な内容と在庫を別途確認し、インタビューを入荷通知と考えないこと。一曲から映像へ、さらに手に持つ物へという広がりは、「復帰した」の一言以上に作品と人の再会を説明する。
演奏中のJoe Hahn。
UNSHATTER関連ボックスと図像。