昨年放送された『イカゲーム』シーズン3の最終シーン。フロントマン(イ・ビョンホン)がロサンゼルスへ飛び、そこで新たにリクルートされる人物としてケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)が映し出された。この演出についてNetflixから公式な説明は一切なかったが、ファンや業界関係者はすぐにその意味を読み取った。ブランシェットは2008年の『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』でデヴィッド・フィンチャー(David Fincher)と組んだ間柄であり、2023年には既に、フィンチャーが英語版『イカゲーム』を準備中だという情報が流れていた。脚本は『Utopia』のデニス・ケリー(Dennis Kelly)が担当し、仮題は『Heckler』とされていた。このカメオ出演は、その企画への布石として映っていたのだ。
だが今、その布石は静かに撤回されたようだ。『The Playlist』がNetflixに近い関係者からの情報として報じたところによると、このフィンチャー版『イカゲーム』は制作が進んでおらず、同社が看板IPの今後の方向性を見直していることが理由だという。ただし、この企画自体はこれまで一度もNetflixから公式に確認されたことがなく、すべての情報は報道や推測の上に成り立っていた点は留意すべきだろう。今回、その推測の対象そのものが姿を消したことになる。
Netflixは依然として、世界各地で「ローカライズ版」の『イカゲーム』を展開する計画があるとされているが、現時点で具体的な詳細は明らかになっていない。この発言は新企画の予告というより、事態を収める言い訳のように聞こえる。
『イカゲーム』の生み出したファン・ドンヒョク監督は、2024年にフィンチャーの参加可能性について語った際、「様々な国のクリエイターが自分たちなりの『イカゲーム』を作り、この世界の一部となってくれることは、この上ない光栄です」と述べていた。ブランシェット本人も当時、復帰について「かなり前向き」だと語っていたが、同時にフィンチャー版の脚本については何も知らないとも認めていた。つまり彼女のカメオ出演は、俳優自身が企画に関与していた伏線というより、Netflix側が一方的に仕込んだイースターエッグだった可能性が高い。
NMEはシーズン3を5点満点中4点と評価し、次のように評した。「息をのむような大物カメオ出演を通じて、『イカゲーム』が韓国一国の物語をはるかに超えたものであることが明らかになる――資本主義による搾取と苦しみの循環が、再び焦点として浮かび上がるのだ」。しかし現状を見ると、この「焦点として浮かび上がる」動きは、あのカメオ出演そのもので止まってしまい、次の段階へは進んでいないようだ。
フィンチャーの次作は『The Adventures Of Cliff Booth』。ブラッド・ピット(Brad Pitt)が、クエンティン・タランティーノ監督『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でアカデミー賞を受賞した役を再び演じる。劇場公開は11月25日、Netflix配信は12月23日に予定されている。一方、英語版『イカゲーム』については、新たな公開時期やキャストに関する情報は現在のところ何もない。






