Z.aiはGLM-5.3を「最も能力の高いオープンソースコーディングモデル」と呼んでいるが、自ら公開したベンチマーク表を開くと、話はそう単純ではない。Terminal Bench 3.0でGLM-5.3は28.3点を獲得したものの、クローズドソースのClaude Fable 5(33.7)やGPT-5.6 Sol(34.6)に敗れている。実際のGitHub issueを処理するDeepSWE v1.1テストでも66.9点にとどまり、オープンソース同業のKimi K3(67.5)やFable 5(69.7)に及ばない。自らの強さを証明するはずの公式資料が、逆に「最強ではない」ことを明確に物語ってしまっている。

GLM-5.3は木曜日、GLM Coding PlanのサブスクリプションとZCodeを通じて公開された。APIとダウンロード可能な重みについては、安全性審査を経て段階的にリリースされる予定だ。このモデルは743億パラメータで、GLM-5.2のベースをもとにpost-trainingの量を継続的に拡大して作られたもの——Z.aiは発表文の中で「Scaling post-training is all we did for GLM-5.3」と述べており、この1カ月でより多くの環境、より多様なタスク、そしてより多くの計算リソースを投入したという。

今回の主眼はスコアの底上げではなく、トークン消費の削減にある。Z.ai独自のCode Benchテストでは、GLM-5.3はMax effortモードで34.5%を達成し、1タスクあたり平均約75,000の出力トークンを消費した。一方GLM-5.2は23.4%にとどまりながら96,000トークンも消費していた。つまり新モデルはスコアが上がった一方で、燃費はむしろ改善したことになる。Claude Opus 4.8と比較すると、Z.aiは「GLM-5.3の方がトークン効率が良い」としながらも、「remains behind Claude Fable 5, which reaches 39.5% at Max effort」と自ら認めている——これは公式ブログに自分たちで書いた一文だ。

本当のハイライトはセキュリティテストにある。GLM-5.3はCyberGymで84.5%を獲得し、脆弱性発見系のベンチマークではGLM-5.2の2倍以上のスコアを記録した。Z.aiによれば、このモデルは269のオープンソースプロジェクトから2,436件の脆弱性を発見し、うち1,097件が中〜高リスクと判定されたという。今回の発表の中で、自社データに足を引っ張られなかった数少ない部分だ。

価格こそ、オープンソースモデルがまだ勝負できる領域だ。GLM-5.2の公式API価格は入力100万トークンあたり1.40ドル、出力4.40ドルで、Z.aiによれば全体的なAPI価格は米国のフロンティアモデルの約10分の1だという。これに対しGPT-5.3-Codexは入力1.75ドル・出力14ドル、Claude Opus 4.8の価格はAnthropicの価格表の中でも最上位クラスに位置する。GLM Coding Plan自体はポイント制で、オフピーク時間帯の利用料は半額になる。

「open-weights」というラベルは、現時点ではまだ実現していない。発表文には、重みの一般公開まではあと約2週間かかると明記されており、今使えるのはサブスクリプション型のGLM Coding PlanとZCodeのみで、手元にダウンロードして動かせるファイルではない。Z.aiは米国のEntity Listに指定された北京の研究機関であり、米企業は規制対象技術を同社に輸出できない——それでも中国製オープンソースモデルのOpenRouter上でのトークン使用量はすでに米国製の同種モデルを上回っており、GLM系列自体もかなりの人気を集めている。

この“自爆気味”な発表をまとめると、GLM-5.3は前世代には勝ち、一部のオープンソース対抗馬にも勝利したものの、最も注目されるコーディング系ランキングでは、依然としてクローズドソースの米国フロンティアモデルが優位に立っている。そして自慢の「オープンソース」も、今のところはまだ“空手形”のままだ。