ある結婚式、ビバリーヒルズにある一軒の家、そして有名人に会ったことのない子供――Beckが語るこの幼少期のエピソードの主人公は、つい先日世を去ったDolly Partonだ。
BeckはBBC Radio 2でパーソナリティのJo Whileyのインタビューを受け、キャリアの中で印象に残った「アイコン」について尋ねられた。彼はまず若い頃にNeil Youngとツアーを共にした話を挙げ、続いて音楽とは無関係なもう一つの記憶へと話を移した。母親の友人の結婚式がDolly Partonの自宅で開かれ、当時彼はまだ子供だったという。
「僕は有名人なんて誰も知らなかったし、僕らはごく普通の生活を送っていた。ビバリーヒルズに行ったことがあるかどうかさえ定かじゃない」とBeckは語る。「彼女の家に足を踏み入れたら、これ以上ないくらい親切で、とても歓迎してくれたんだ」
彼は「驚かされた」と表現する。Partonが彼と弟に見せた親しみやすさが予想を超えていたからだ。「『僕らを誰かと勘違いしているんじゃないか?』と思うくらいだった。だって彼女が僕らにあんなに優しくする理由なんてなかったのに、彼女はそうだったんだ。ほとんど過剰なくらい親切で、過剰なくらい情熱的だった」とBeckは振り返る。「普段の生活の中で、あんなに温かくて、優しくて、心を開いている人にはめったに出会わない。だからあの出来事は僕にとって本当に衝撃的だったんだ」
Beckはさらに、その日Partonの家にはハリウッドの大物スターたちが実際に集まっていたにもかかわらず、「彼女の注意はすべて僕らに向けられていた」と付け加えた。
Beckの母Bibbe Hansenはパフォーマンスアーティスト、ミュージシャン、女優、作家であり、Beckはロサンゼルスで生まれ育った。今回のインタビューは、先週リリースされた新作アルバム『Ride Lonesome』のプロモーションの一環だった。NMEはこの作品に星4.5個を与え、「胸が締め付けられるほど美しい、心の痛みと孤独をめぐる瞑想」と評している。BeckはNMEに対し、このアルバムは本来1年半早くリリースされる予定だったが、楽曲が十分な力を持っていると確信できるまで2度制作を保留にしたと明かした。彼はこれを「失恋のアルバム」と表現し、内容は「喪失と向き合い、手放すことを学び、感情的に耐え難い瞬間を乗り越えること」についてだと語った。
Beckは現在、北米での単独ツアーを展開中だ。一方Dolly Partonは、U2の新作アルバム『Carnaval De Luz』収録曲〈Torn〉に遺作として声を残しており、これが彼女にとって生前最後のレコーディング作品となる。