昔のSF映画に登場する計器や舷窓、リベットが好きなら、Louis Erardと独立時計師Vianney Halterの新作は、時刻を見る行為に想像を添えてくれる。Futur AntérieurはGoldとSilverの2種類。位置をずらした2つの円形文字盤が時分と秒を分けて表示し、それぞれを独立した自動巻きムーブメントが動かす。10月30日の台湾向け発表では各178本限定、希望小売価格は各229,800台湾ドル。世界78組限定の2本セットも用意される。
2つの舷窓でAntiquaの世界を継ぐ
出発点はHalterの代表作Antiquaだ。盛り上がった円形ベゼル、その周りの小さなリベット、青焼き針が、過去の人々が思い描いた未来の計器を連想させる。正面の文字盤は斜めにずらして配置され、両者の名称は向かい合う側に置かれる。秒針と時分針の間を視線が行き来する構成だ。機械的な物が好きな人には、構造を意識させるこの配置も楽しい。両側の特徴的なリューズにも同じ個性が続く。
Futur Antérieurはフランス語の未来完了形を意味する。今回の作品では、過去に想像された未来を、今日身に着けられる物にした、と読むこともできる。両者は2020年から協業を重ね、今回はAntiquaの造形にさらに近づきながら、Louis Erardが新設計したステンレススチールケースを採用した。名前と形が呼応することで、レトロな外観に創作の背景が生まれ、過去の作品を知る人にも新しい見方を促す。
2基の機械と薄いケースの対比
豊かな立体感を持ちながら、67個の部品で構成されるケースの厚さは8.85mm。2基の独立した自動巻きムーブメントが文字盤の下に並び、一方が時分、もう一方が秒を担う。表示を2つの機械ユニットに分けた構造が最大の特徴だ。高く立ち上がるベゼルと比較的薄い側面は、見る方向によって異なる表情を生む。個人の装着感は試着で確かめたい。公式着用写真はスタイリングの参考になる。
ケース正面はサーキュラーブラッシュ、側面は縦方向のブラッシュ仕上げで、ポリッシュした縁が輪郭を引き締める。文字盤の粒状の質感、外周リングのブラッシュ、面取りの磨きが層を作り、青焼き針が色のアクセントになる。公式の接写では、リベットやベゼルが立体的な外観を組み立てていることがわかる。ソリッドケースバックには両者の名称と限定表記が刻まれ、裏側にも協業の証が残る。
Silverのソリッドケースバックには両者の名称と限定表記が刻まれる。暖かなGold、涼やかなSilver
Goldは金色文字盤と黒のオーストリッチストラップによる鮮やかな対比。Silverは銀色文字盤に青いオーストリッチストラップを合わせ、青焼き針と響き合う。両モデルとも1Nイエローゴールド色のメッキを施したリベットを使い、スチールの中に小さな金色の共通項を作る。革の自然な質感も金属との対比を添える。公式Silver着用写真では濃色ニットに合わせ、落ち着いた日常の装いを示している。
銀色文字盤と青いストラップのFutur Antérieur Silver公式着用写真。各178本限定の単品に加え、GoldとSilverのセットは世界78組限定、台湾希望小売価格459,600台湾ドル。ブランド公式サイトでは現在ウェイティングリストを案内しており、台湾での供給や購入方法は現地取扱店で確認できる。2基のムーブメントという構成とともに魅力になるのは、腕時計に遊び心を残す姿勢だ。時刻を確かめるたび、金属とリベット、想像力から生まれた小さな宇宙船が目に入る。