Nikeは「スピード」をPegasusの次のステップに書き込んだ。ただし今回の焦点は、またしてもフォームのアップグレードというわけではなく、エアクッションを目に見える形にしたことにある。今週正式にお披露目されたPegasus Plus 2は、2026年8月にNike.comおよび一部の小売チャネルで発売され、価格は165ドルとなる。
Nike公式によるこのシューズの位置づけは非常にストレートだ。Nike Runningのシニアフットウェアディレクターを務めるDeepa Ramprasad氏は「speed without sacrifice(犠牲なきスピード)」の一言でデザインコンセプトを要約し、ブランド側も新しいミッドソールシステムがもたらす感覚は「ミッドソールプレートのないレーシングシューズ」に近いと語っている。ただ、この言葉をどう受け止めるべきかは、まずシューズ自体にどんな変更が加えられたのかを見てからだ。
Pegasus Plus 2は、このプロダクトラインにおいてこれまでで最大の構造変更となる。初代Plusはほぼ全面的にZoomXフォームに頼っていたが、今作ではフォアフット部分に剥き出しでカーブを描くAir Zoomエアユニットが搭載され、走行中は歩みに合わせてそれが屈曲する様子を直接目にすることができる。エアユニット内部のテンションファイバーは、あらかじめ圧縮されたバネのように機能し、着地時に入力されたエネルギーをより多く跳ね返す。Nikeによれば、新システムのエネルギーリターンは初代Pegasus Plusより少なくとも18%高いという。
このデザインは、単にラボ内の数値だけに支えられたものではない。Nike Sport Research Labは、マラソン選手からトラック選手まで、1500m種目のCameron Myers選手を含む30人以上のエリートランナーを招いてテストを実施した。Air Zoomエアユニットもサイズごとに圧力チューニングが施されており、体格の大きいランナーでも軽量なランナーに近い足入れ感が得られるよう調整されている。
価格帯にも注目したい。165ドルという設定は、150ドル台の軽量トレーニングシューズと、200ドル以上のレーシング向け「スーパートレーナー」のちょうど中間に位置する。Nike自社のロードランニングラインナップにおける役割分担——Pegasusがリアクティブ(反発)系、Vomeroがクッション系、Structureが安定性系——を踏まえると、Pegasus Plus 2は、レーシングシューズ並みの予算をかけずに済む「リアクティブ」カテゴリーのスピード系選択肢を補う存在と言える。
早くも初期レビューが出そろっている。ランニングシューズレビューメディアのBelieve in the Runは総合評価Aを付け、ホールド感、ZoomXがもたらす乗り心地、そして価格面のパフォーマンスを高く評価した。一方で、剥き出しになったAir Zoomエアユニットの感触は、Alphaflyのようなレーシングシューズ級の爆発力にはまだ届かない、あくまで繊細なアシストに近いとも指摘。全体としては、純粋なペース走向けのレーシング仕様というより、汎用性の高い日常トレーニングシューズに近い位置づけだとしている。この点は、公式が謳う「ミッドソールプレートなしのレーシングシューズ感」という表現に対し、実際の体験としてはやや留保が付くことを示している。
Nike Pegasus Plus 2は2026年8月にNike.comおよび一部の小売パートナーを通じて発売予定で、価格は165ドル。カラーラインナップと正確な発売日については、続報を待ちたい。