モバイルバッテリー最悪のシチュエーションは、電池切れそのものではなく、2人同時に電池切れになったのに手元にバッテリーが1つしかないという状況だ。Nimbleはまさにこのシーンを想定し、分裂するモバイルバッテリー「SharePower」を開発した。公式は「世界初のシェア可能なバッテリーパック」と謳っており、両手でひねるだけで、単体10,000mAhのセルが、それぞれ独立した5,000mAhの電源2個へと変わる。

外装はリサイクルプラスチック製で、サイズは約7.9×7.1×2.5cm、重量は約215g。トランプ1組ほどのサイズ感と重さだ。本体には六角形の装飾エリアがあり、側面のボタンを押すとデジタルの残量表示に切り替わる仕組み。真の仕掛けは引き離した瞬間にある。両サイドのセルは磁力で吸着しており、中央にはストラップとしても使える隠しUSB-Cケーブルが仕込まれている。内蔵ケーブルでそのままデバイスを充電でき、箱には予備ケーブルも1本付属する。
片方の内部ボタンを押すと、残量を示す4つのインジケーターが点灯する。もう片方のデジタル表示ほどの精密さはないが、おおよその残量を把握するには十分だ。もう片方には跳ね上げ式のUSB-Cコネクタが備わっており、追加のケーブルなしでスマートフォンやタブレットの底面に直接差し込んで充電できる。

EngadgetのレビュアーSam Rutherfordは2つの小さな欠点を指摘している。1つは磁力がやや弱く、片手で片側を持って軽く揺らすだけで、もう片方が外れてしまう可能性があること。もう1つは、内蔵ケーブル自体が彼の苦手とする「一体型(キャプティブ)ケーブル」設計である点で、実際にストラップとして使うと摩耗しやすく、修理もしにくいのではないかと懸念している。

合体時は35W、分離後はそれぞれ20W
完全に結合した状態では、SharePowerは10,000mAhの容量を持ち、3つのUSB-Cポート合計で最大35Wを出力できる。2つに分離すると、それぞれ5,000mAhの容量となり、単独で最大20Wを出力可能。両側の接合部にはいくつかのポゴピン端子が隠されており、再結合すると自動的に電力が均等に配分される仕組みになっている。これにより、次に分離した際に片方だけ残量が少ないといった事態を防いでいる。

ただし35Wの合計出力は、2台のデバイスを同時に充電する場合の話だ。Sam RutherfordがUSB-Cパワーテスターで実測したところ、1台のみ接続した場合の最大速度は20Wにとどまった。つまり2台同時充電時に明らかな速度低下は起きないが、その代償として単独使用時にはフル出力の35Wを得られないということになる。SharePowerはワイヤレス充電には対応しておらず、レビューでは分割可能な設計上避けられないトレードオフだと評価している。
レビューによれば、サードパーティ製アクセサリーがApple公式サイトのアクセサリーページに掲載されることは、一種の「お墨付き」とみなされてきたが、SharePowerもそこに名を連ねている。最大3台のデバイスを同時に充電でき、2つの残量表示によってユーザーはいつでも残り電力を把握できる。分離後は片側だけで、現行の一般的なスマートフォンをほぼフル充電できるほか、Switch 2をほぼ満充電まで充電することが可能だという。記事内では価格や発売情報については触れられていない。






