その夜、彼らはBrightonの自宅で、新作アルバムのために書き上げた40曲をTrevor Dietzに一曲ずつ聴かせていた。『Marianne』はすでに「不採用」の山に積まれていたが、Fontaines D.C.のベーシストConor「Deego」Deegan IIIが後にInstagramで振り返ったところによると、聴き終えたDietzは彼らを「absolute lunatics(完全にどうかしてる)」と一刀両断したという——この曲を捨てようとする方こそどうかしていると。結果、曲は残された。それが今、バンドの新作アルバム『Dopamine Chamber』の最初のリード・シングルとなっている。

『Marianne』は8月18日(火)に正式リリースされ、同時に新作アルバムの情報も発表された。『Dopamine Chamber』はJames Fordがプロデュースを手掛け、10月16日にXL Recordingsからリリースされる。これはマネージャーであり親友でもあったTrevor Dietzが亡くなってから、Fontaines D.C.が発表する初のアルバムとなる。バンドは今年6月、彼の訃報を明らかにした際、「僕たちの旅の始まりからずっと一緒にいてくれた」と表現し、彼を「バンドの6人目のメンバー」と呼んだ。

Deeganは投稿の中でこの経緯を率直に綴っている。「Trevがいなかったら、『Marianne』が世に出ることは絶対になかった」。さらに彼はこう続けた。この曲がアルバムに戻ってきたことで、「このアルバムは、書いていた当時に想像していたよりも、今の僕たちの生活にずっと近いものになった。このアルバムはTrevに捧げる。彼が僕たちに与えてくれたすべて、教えてくれたすべてに。永遠に愛してる。」

最後のMaida Vale収録、当時は未放送だったこの曲

バンドは同時に、7月31日に収録されたBBC Maida Valeスタジオでのライブ映像も公開した——これはこのスタジオで行われた最後の収録セッションだった。Grian Chatten率いるバンドのパフォーマンス映像は一部BBC 6 Musicで放送されたが、『Marianne』の演奏は当時の放送版には収録されていなかった。今回の新曲リリースに合わせて、バンドはこの映像を、同じセッションで収録され当時実際に放送された『Roy's Tune』と『It's Amazing To Be Young』とともにYouTubeに公開した。

『Marianne』は2024年のスリラードラマ『Ripley』からインスピレーションを一部得ており、逃避と服従というテーマを扱っている。NMEはこの曲に五つ星をつけ、「シュールな夢、暗黒の子守唄。Depeche Modeばりの悲愴感漂うシンセの質感が、David Lynch的なワイドスクリーンの情景さながらのストリングスとぶつかり合う」と評した。

『Dopamine Chamber』は、2024年Mercury Prizeにノミネートされた『Romance』に続く作品。それ以前にはバンドは『Peaky Blinders: Immortal Man』のサウンドトラックに参加したほか、War Childのチャリティアルバム『Help(2)』にも楽曲を提供している。

ツアー日程はまだ続く。イギリスでの夏の公演の後、バンドはReading & LeedsとElectric Picnicにヘッドライナーとして出演し、その後北米ツアーへと向かう。ギタリストのCarlos O'Connellは今年1月のNMEインタビューでReading & Leedsのパフォーマンス構成について語り、「昔の曲をいくつか掘り起こして、セットリストにもう少し『Dogrel』の空気を入れたい」と述べたほか、そのインタビュー当日の朝にSonic Youthを聴いていたことにも触れ、「そっちの方向に進みたいと思ってる。でも、誰にわかる?今は本当に何が起きても不思議じゃないから」と語った。