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「たかが歌でしょ、頭の上には屋根があるのに」──Self Esteemの次なる一歩はウェールズの山へ

Self Esteemが映画初主演を果たし、1980年代ウェールズを舞台にした成長物語『Mountain』に参加する。これは単なる異分野挑戦のニュースではない。音楽業界への疲労を自ら口にした彼女が選んだ、もうひとつの道だ。

Skyler Kao, Social Editor
「たかが歌でしょ、頭の上には屋根があるのに」──Self Esteemの次なる一歩はウェールズの山へ

3月、Self Esteemはあるひと言を口にした。それはどんな出演発表よりも雄弁に、この1年間の彼女の心境を物語っていた。「音楽が私の人生をめちゃくちゃにした。音楽のせいで人生のどん底まで落ちたこともある。そのとき思ったの、たかが歌でしょ、頭の上には屋根があるじゃない、って」。これはサードアルバム『A Complicated Woman』のリリースとツアーを終えた直後の発言で、彼女は自分の状態を「knackered(疲労困憊)」「fed up(うんざり)」と表現し、David Hareの舞台劇『Teeth 'n' Smiles』50周年リバイバル版で主演を務めた際に、「しばらく自分が死んでいたような感覚」に気づいたとも語っている。

今、その方向転換は具体的な形を取り始めた。BBC Walesの報道によると、本名Rebecca Lucy Taylorとして知られるSelf Esteemは、1980年代のウェールズを舞台にした成長物語映画『Mountain』で主演を務める。彼女にとって初の本格的な映画出演作だ。共演にはPeter Mullan、Iwan Rheon、Seth Isaac Thomasが名を連ね、監督はウェールズ出身の俳優兼映画人Celyn Jones、音楽はBill Ryder-Jonesが手がける。

物語の中心となるのは、Seth Isaac Thomas演じる少年。1980年代の北ウェールズで育ち、友情と居場所を渇望する彼は、山でひとり暮らすPeter Mullan演じる男と出会い、二人の間には長く続く絆が育まれていく。撮影は6月にAngleseyで行われ、すでにクランクアップ。監督のJonesは、自身の故郷Holyheadでの撮影を「感情的にも精神的にも故郷への帰還だった」と語っている。

実はTaylorのこれまでの演技経験は、この転向への布石だったとも言える。Sky制作の『I Hate Suzie』や『Smothered』、2023年ロンドン・ウエストエンドの『Cabaret』でのSally Bowles役、そして今年初めの『Teeth 'n' Smiles』。5月のIvor Novello Awardsでは、夏が終わったら数ヶ月間休みを取って「じっくり考えたい」とNMEに語っていた。「次のアルバムについては、もうある程度イメージができている」と彼女は言う。「でも油断していると、この業界はあなたからどんどん奪っていくだけ。だから一度立ち止まることにした。そうすればちゃんと考えて、もっと良いものを作れるから」。

それまでに、彼女には2本のライブ出演が控えている。8月24日にはエディンバラでFlorence + The Machineのオープニングアクトを務め、8月28日にはマンチェスターのWythenshawe ParkでPulpの前座に立つ。『Mountain』の公開は来年を予定しているが、正確な日程はまだ発表されていない。

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