人混みと看板だけではない渋谷の姿に出会えそうだ。東急は長谷川仁による「渋谷to森~渋谷に生き物の森を作ろう!~」を2026年10月31日から11月8日までヒカリエデッキで開催する。時間は毎日10時から18時。既存の植栽を小さな森と捉え、鳥、コウモリ、タヌキ、人間など都市に暮らす存在を、色鮮やかな絵と手仕事で結ぶ。買い物途中に足を止め、公共空間から街を見直す入口となる。
駅そばの植栽をほかの生命の居場所として見る
場所は渋谷ヒカリエ北側4階の屋外デッキで、別に閉ざされた森林施設を設けるわけではない。木の構造や看板風の文字、生き物のパネルが植栽に入り込み、通り過ぎがちな場所を鑑賞する場に変える。提供写真では、にぎやかな看板が渋谷らしい視覚を残しながら、動物の姿が人間以外の営みも想像させる。
1972年北海道生まれの長谷川は、プロダクトやソーシャルデザインにも関わる。その視点は参加の仕組みにも続く。完成品の前で写真を撮るだけでなく、指定日のワークショップでは自分の絵を作品の動線に加えられる。生き物は絵や造形であり、生体展示ではない。植栽があるからといって野生動物との遭遇を約束する企画でもない。
3日間のワークショップで絵を列車に乗せる
ワークショップは11月3日、7日、8日の13時から16時まで、最終受付15時45分。渋谷に関わる生き物をアクリルキーホルダーに描き、植栽の周りを走る小さな玩具の列車に乗せる。公式の見本にはコウモリ、タヌキ、鳥などがあり、輪郭や色もさまざま。絵を描くことが記念品作りだけでなく、公共の作品に一時的に加わる方法になる。
アクリルの生き物を運ぶ玩具の列車。列車の体験は指定ワークショップで実施。
コウモリ、タヌキ、鳥などを描いたアクリルキーホルダーの見本。参加費は100円で、主催者によるとアーティストを通じ自然保護活動へ寄付される。ここでは特定の寄付先団体まで約束しない。他の人の作品と交換し、持ち帰る楽しみ方もあり、実際は会場の案内に従う。列車はワークショップの一部なので、9日間いつでも走る催しと考えないようにしたい。列車を目当てに家族で訪ねるなら、指定の3日と午後の時間を確認しよう。
展示日程、受付、アクセス
受付は当日会場で行い、事前予約は不要。小雨決行、荒天時は中止となる可能性がある。作品は10月31日からだが、連携する「渋谷芸術祭2026」は11月2日から8日までで、開始日が異なる。展示期間と参加可能な時間を分けて把握すれば、作品は見られても工作を逃すという行き違いを減らせる。
所在地は東京都渋谷区渋谷2-21-1。渋谷駅とヒカリエに近く、利用路線に応じて経路を選ぶ。東急・東京メトロの一部路線からはB5出口で接続し、ほかの路線では駅の表示を確認したい。時刻は日本時間。まず作品を眺め、工作の時間に戻るなど散歩に組み込みつつ、出発前には天候と最新案内を確認しよう。参加も観察もできる、小さな街の森である。