藤本壮介建築展「原初.未来.森」は台北の忠泰美術館と建国ビール工場製品倉庫の二会場で、2026年8月15日〜2027年1月3日開催。主館は六主題と100件超の建築計画で30年を整理し、別会場には大阪万博大屋根の5分の1部分模型を置く。模型をすべて小さな家と見ず、設計の発生を読んでから大きな構造へ入れる。
森は形でなく多様な関係の共存方法
北海道生まれの藤本は雑木林の多様性と交錯から空間を理解した。「森」は自然景観だけでなく、人、建築、都市が互いを受け入れる想像も含む。入口の60点超の画像で初期と近作を並べ、吊った未来都市装置は球状住宅、緑、階の境界を越すつながりで100年後を想像する。着工済み都市計画でなく思考の道具だ。
「開放の環」は200分の1の全体模型と草図で、包み込みと開放の共存を示す。環は共通中心を生み、外への接続も塞がない。修正と模型を見れば、美しい円を先に決め機能を詰めるのでなく、保護、開放、人々、動線を往復して、違いを消すのでなく受け止める過程が見える。
修正草図でたどる大屋根の設計。模型の森ではポテトチップスと空瓶も手がかり
「思想の森」は高低や吊り下げで模型を並べ、動くたび角度を変えさせる。内外を両立する「展開と包囲」、部分が全体をつくる「多の中の多」、用途を一つに限らない「未分化」の三線があり、色アクリルで表示する。同じ計画が複数線へつながることもあり、三つの固定様式へ分ける必要はない。
模型と吊り装置の間を歩く観客。果物の保護網、潰したペットボトル、チップス模型もある。透ける包装、変形表面、重ねた隙間が空間の発想になる。倉方俊輔監修の「軌跡の森」は年表、手稿、記録で修正にも場所を与える。普通の物から始め、図面や模型でどう形が変わるかを探せる。
模型と日常物が一緒に空間の想像を開く。二会場券は別日に使え、別会場は現地販売なし
工場の部分大屋根は5分の1、高さ約4.1メートルで、周囲と内部を歩け、主館の小さな全体模型と対照になる。15分映像は万博大屋根の朝から夜の人と音を記録し、柱列だけでなく光、滞在、共同使用のリズムも示す。映像を見てから通る方が全景一枚より尺度を読みやすい。
開放の環にある大阪万博大屋根全体模型。
建国ビール工場別会場の5分の1部分大屋根。通常250台湾元、優待200元で二会場を展期中の別日に訪問できる。水曜は学生証で当日一回無料。通常火〜日曜10〜18時、月曜休館、別会場は券売がなく事前オンライン購入が必要だ。主館は市民大道3段178号、倉庫は松江路25巷40号。別日にすれば、密集する模型と身体の尺度をそれぞれ消化する時間も残せる。
歩いて入れる木構模型の連続柱列と尺度。