1ポンドと聞くと些細な額に思えるが、これが数十万枚のチケットに掛け合わされると、実質的な慈善金額になる。The Weekndはロンドンのウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)で5公演すべてを完売させ、最終公演は8月19日水曜日の夜に幕を閉じた。それより少し前、6月にはマンチェスターのエティハド・スタジアム(Etihad Stadium)でも2公演を行っており、英国公演は計7公演で45万人以上を動員、チケット購入者は約150カ国に及んだ。

この7公演では、英国で販売された1枚のチケットにつき1ポンド、欧州で販売された1枚につき1ユーロが寄付される仕組みが取られ、最終的に国連世界食糧計画(World Food Programme)とGlobal Citizenのために35万ドル(約26万ポンド)以上の基金が集まった。この資金は、世界中の子どもたちが教育機会を得られるよう支援するFIFA Global Citizen教育基金と、The Weeknd自身が設立し、世界食糧計画による世界的な飢餓危機への対応を支援するXOヒューマニタリアン基金に活用される。

ロンドン市長のサディク・カーン(Sadiq Khan)氏は、「The Weekndを迎えられたことをロンドンは大変誇りに思っています。彼は今年、他のどの都市よりも多くの公演をここで行いました。5回の公演でウェンブリー・スタジアムには数十万人のファンが集まり、私たちの観光業や飲食・宿泊業を大いに後押ししてくれました。ロンドンが世界の音楽の首都であることを改めて証明してくれたと思います」と述べた。

「After Hours Til Dawn」と題されたこのスタジアムツアーは、The Weekndが近年発表した3作のアルバム『After Hours』(2020年)、『Dawn FM』(2022年)、『Hurry Up Tomorrow』(2025年)の楽曲をつなぐ内容となっている。昨年の時点で本ツアーは男性ソロアーティスト史上最高の興行収入を記録したツアーとされ、世界全体の総収益は10億ドルを突破、チケット販売枚数は750万枚を超えた。ツアーは今週末、次にダブリンのクロークパーク(Croke Park)で2公演を行い、その後マドリード、バルセロナ、リスボンへと続き、年内にはアジア公演も予定されている。

ウェンブリー公演は物議を醸さなかったわけではない。ある公演の終盤に行われた花火演出は、イングランドとウェールズ政府が山火事のリスクを理由に緊急警報を発令し、花火の使用を控えるよう呼びかけたわずか数時間後に行われ、批判を招いた。一方、今月初めにはAbel Tesfaye自身が、The Weekndという名義を引退させるつもりはないと改めて認めている。彼はストックホルムでファンに向けてこう語った。「僕は絶対に消えない。このアイデンティティを愛しすぎていて、消えることなんてできない。引退がどんな感じか試してみたけど、好きになれなかった。僕はずっと君たちと一緒にいるよ」