曲名もなければ予告もなし。Beckerはただ「この曲はまだ発表していない」とだけ告げると、観客はすぐさまサビを歌い始めた。8月15日夜、Zimmer90はSziget Festival 2026の5日目、クロージングナイトのRevolut Stageに登場。ドイツのドリームポップ3人組にとって、ハンガリーでのステージは今回が初めてとなった。

バンドはボーカル兼キーボードのJosch Becker、ギター兼ベースのFinn Gronemeyer、ドラムのMichael Schoetの3人で構成される。ステージが始まると、Beckerはすぐに観客に呼びかけた。「これは僕らにとって本当にクレイジーなことだよ、こんなにたくさんの人がいてくれて。フェスの最終日を楽しんでくれ」。

セットリストは前半と後半で色合いがはっきりと分かれていた。前半はバンドらしい霧がかった夢見心地なサウンドを中心に、〈Movin'〉と〈Makes Me Wanna Dance〉を披露。日が暮れるにつれて曲調はダンサブルな方向へとシフトし、〈What Love Is〉が後半のハイライトとなった。Beckerは「サークルピットをやりたいなら、今がその時だぞ」と冗談交じりに観客を煽る場面も。新曲を披露する前には、Daft Punkの〈One More Time〉をかけ、会場は大いに盛り上がった。

終盤に差し掛かったところで、Beckerは「新曲をやるよ、まだ発表してない曲だ!」と発表。続けて、バンドは3か月後にヨーロッパツアーをスタートさせると明かし、「その中の何人かとまた会えたら嬉しいよ。最後に一緒に歌おう、僕が歌うから、いいかい?」と語りかけた。英メディアNMEの報道によると、Beckerはこの新曲のタイトルを最後まで明かさなかったが、幾重にも重なるシンセの音の壁と重厚なキックドラムのリズムに乗せ、コール&レスポンス形式で観客と一緒に「I can't stop / I won't stop」というコアとなる一節を一行ずつ歌い上げたという。

Zimmer90は以前、《Bose x NME: C25》のミックステープに〈what a life〉を提供している。当時、GronemeyerはNMEの取材に対し、バンドの制作スタイルについてこう語っていた。「僕らは少しずつ、今のこの精密なサウンドを磨き上げてきたけど、完成したと感じたことは一度もない。たとえ一曲が仕上がっても、それはもっと大きな全体像を構成するピースの一つにすぎないんだ。僕ら2人の間には、まだ音楽的に探求していないものがたくさんある」。

Sziget Festival 2026のクロージングナイトには、Jorja Smith、Soulwax、Sub Focus、そしてトリを務めたSkrillexも同日出演。Skrillexのパフォーマンス終了直後には花火が打ち上げられ、フェス全体のフィナーレを飾った。5日間にわたるラインナップには、他にもSombr、Twenty One Pilots、Ashnikko、Biffy Clyro、Dijon、Kim Dracula、Lewis Capaldi、Wolf Alice、Nia Archives、TOMORA、Skepta、Rose Gray、PERTURBATOR、Peggy Gouといった顔ぶれが名を連ねた。

現時点で、この新曲は正式にはリリースされておらず、曲名や収録に関する具体的な計画も明らかにされていない。