8月12日夜、ヨーロッパでは数年に一度の日食が起きた。場所はレイキャビク郊外、岩だらけのアイスランドの荒野。ここでBjörkが「Echolalia」というパーティーを開催し、DJラインナップにはArca、Ronja、Sideproject、そして彼女自身が名を連ねた。観客の中にはハワイや日本からわざわざ駆けつけた人もおり、会場の年齢層も入り混じっていて、単一世代のファン集会という雰囲気ではなかった。


月が完全に太陽を隠したその7分間、音楽が止まった。これは技術的なトラブルではなく、意図された静寂だった。荒野が暗闇に包まれたその瞬間、群衆は黙って見つめるのではなく、「Free, free Palestine」と叫び始めた。同じ瞬間、暗闇に乗じてパートナーにプロポーズする人もいた。このパーティー最大のドラマは、実は音楽が鳴っていない時間に起きていたのだ。


光が戻ってようやくBjörk本人が登場。香港出身のデザイナーRobert Wunが手がけた白いバルーン状のセットアップを身にまとい、まるで宇宙から降り立った存在のように現れた。彼女がかけた最初の曲は、キューブリック監督『2001年宇宙の旅』のサウンドトラック——この選曲のタイミングに、観客が推測を挟む余地はなかった。DJセット全体は、彼女自身がボーカルで参加したRosalía〈Berghain〉のリミックスバージョンで締めくくられた。彼女は観客に一言も言葉をかけなかったが、その代わりピンクワインのグラスを片手に持ち続け、曲の合間には不規則に踊り、DJブースに駆け上がってリズムを叩くこともあった。


現場カメラマンのAlex Athertonによれば、日食がエリア全体を真っ暗にしたその瞬間こそがこの夜のハイライトだったという。「岩だらけのアイスランドの原野に実験的な音楽が響き渡り、空が暗くなっていくのに合わせてパーティーが展開する——確かに唯一無二の体験だった」。このパーティーが残した光景の中で、どんな衣装や選曲よりも記憶に刻まれるべきなのは、あの7分間の静寂と叫び声かもしれない。







