動物の仮面は、よく知る物語を書き換えることもできる。ミャンマーのアーティストHtein Linの個展《Zootopia》が、2026年10月21日にバンコクのWest Edenで開幕した。12月27日まで、Coming From Kalawとの共同開催。再利用の布に描いた絵画や、シャン紙とリサイクル素材で作った動物の仮面を通じ、Pindayaでの生活と制作から育まれたイメージを紹介する。
《Ya Mone Na Patt Pyo》(2026)は、恋人と離れた漁師を歌うミャンマーの古典曲から出発しながら、原曲にいなかった人魚を漁師の舟へ加える。展覧会紹介は、人の顔を持つ魚がいる川の風景にも触れる。新しい登場人物がいることで、知っている歌詞だけでは絵を読み終えられなくなる。歌から絵画へ移す際、作者は物語を固定した脚本ではなく、成長し続ける素材として扱う。ポスターの舟や混成生物も、単一の種に分類できない世界を示唆する。
《My Hope for a Metamorphosis》では、作者自身をカフカの小説に登場する多肢の生き物として描き、上方の4本の手で「hope」をつづる。《Arachnid Enclave》は、Pindayaの有機農場Grace Estateにつながり、そこでは作者が彫刻公園とアーティスト・レジデンシーを整備している。作品名の背景には、文学や歌の記憶と、具体的な生活の場がある。「変身」は想像上の身体にも、変わり続ける日常にも向けられる言葉となる。
12月27日まで。水〜日曜の訪問を計画する
West EdenとHtein Linの展覧会協働は、2025年の《Ek Kha Ya》に続く2回目。今回は動物、仮面、混成生物に焦点を移し、Bangkok Art Biennale 2026/2027への参加時期とも重なる。ただしWest Eden個展には独自の作品と会期があるため、ビエンナーレの別会場の規則を当てはめず、本展の案内に沿って訪問したい。
画廊は45/2 Sukhumvit 31、Pachara Placeにあり、Bangkok Art Cityの掲載時間は水〜日曜11〜20時。BTS Phrom Phong駅が利用でき、駅からの経路は別途計画する。プライベート鑑賞はcontact@westedenbkk.comへのメールで予約可能。Coming From Kalaw公式展覧会ページと主催者提供の観覧情報で予習できる。まず一匹の動物を認め、次にその表情、素材、物語がどう変わったかを問いかけてみたい。