まず誤解を解いておこう。ルーシー・デイヴィス(Lucy Davis)は亡くなっていない。彼女は最新のInstagram投稿で「何人かの友人がニュースを勘違いして、コメント欄にR.I.P.と書き込んでいた」とわざわざ名指しし、「私が生きていると知って喜んでもらえるはず——万歳!」と続けた。まるで他人事のような軽やかな口調だった。
話は8月11日にさかのぼる。英国版『The Office』のドーン役や『ワンダーウーマン』(Wonder Woman)で知られるこの女優は、SNS上で「治癒不可能」な乳がんと診断されたことを公表。それでも「できるだけ楽しく」生きていくと語った。感傷的な前置きは一切なく、率直に言い切っただけの投稿には、数千件ものコメントが殺到。米国版『The Office』でパム役(ドーンがモデルとなったキャラクター)を演じたジェナ・フィッシャー(Jenna Fischer)もその中にいた。
3日後の8月14日、デイヴィスは2本目の投稿で「完全に驚いた」と綴り、がんの告白がこれほどの注目を集めるとは思っていなかったと明かした。「正直、まだ動揺している」。コメントの数が多すぎてまだ全部に目を通せていないとも認め、「少し時間をちょうだい、ちゃんと読むから」と付け加えた。
そして例の動画である。「少し空気を軽くするために」と、彼女は何年も前に初めて、そして最後に受けたスケボーレッスンの映像を投稿した。撮影されたのはディズニーのドラマ『The Villains Of Valley View』の制作期間中で、共演していたのは同作出演のマラカイ・バートン(Malachi Barton)。映像の中で彼女は笑いが止まらない様子で、「運動神経が完全にゼロだと気づいた瞬間」と自虐していた。この選択そのものが一つの姿勢だ。重い診断結果で会話を止めるのではなく、思わず笑ってしまうような場面を残すことを彼女は選んだ。
彼女の最初の投稿に反応した顔ぶれも豪華だ。『The Office』の生みの親リッキー・ジェルヴェイス(Ricky Gervais)と現DC Studios代表のジェームズ・ガン(James Gunn)はハートの絵文字を残し、『ショーン・オブ・ザ・デッド』(Shaun Of The Dead)で共演した監督エドガー・ライト(Edgar Wright)は「愛してるよ、ルーシー、いつまでも。また近いうちに」と書き込んだ。
このニュースが飛び込んできたのは、少し複雑なタイミングだった。今年は『The Office』放送開始25周年で、マーティン・フリーマン(Martin Freeman)とマッケンジー・クルック(Mackenzie Crook)は先月、BBCの記念特別番組の撮影のために復帰したばかり。デイヴィスは今回その再会には姿を見せなかったが、自分なりのやり方で、この記念すべき年にもう一つ忘れられない場面を刻み込んだ。






