ステージを撮ってほしいわけじゃない、クローゼットを撮ってほしいのだ。今回Twenty One Pilotsがファンに求めているものは、一般的なツアーの舞台裏映像とはまったく別物だ——スマホでの直撮りでも、照明演出でもない。彼らが欲しいのはHi-8やminiDVといった旧式のビデオテープ規格で、しかも内容は意図的にライブ本番そのものを避け、「ファンであること」の日常的な質感に焦点を当てている。

バンドのクリエイティブ&コンテンツ・ディレクターであるMark C. Eshlemanは、Instagramの投稿でこの企画を説明。これらの映像は今後公開されるライブ映像の中に編集され、数曲の合間に挿入されて「ちょっとした特別なもの」を加えるという。彼はこう綴った。「10人ほどのファンを探していて、彼らにHi-8とminiDVのカメラを送り、自分のファンとしての生活や、ライブ会場へ向かう道のりを少し撮ってもらいたい」。スタイルはvlog寄りになるとしつつも、あまり多くを語る必要はないと強調。「僕が大事にしているのは『ファンでいるってどういう感覚か』を捉えることなんだ。自分の描いた絵とか、テーマに合わせて飾った部屋、あるいはライブのために作っている衣装を撮ってもいい」。募集は8月15日で締め切られており、カメラと撮影済みの素材は、ファンがフェス会場に到着した時点で制作チームが回収する予定だ。

今回の公演はLondon Victoria Parkで開催されるAll Points Eastの一環で、日程は8月30日日曜日。Twenty One Pilotsにとって今年唯一のイギリス公演となり、Wunderhorse、Nova Twinsらも出演する。

バンドは今年に入り、ライブ映画『More Than We Ever Imagined』を公開したばかり。これは「The Clancy World Tour」のメキシコシティ公演——6万5千人の観客を前にしたステージ——を記録した作品で、Tyler JosephとJosh Dunがナレーションを担当し、このツアーの軌跡を振り返っている。さらに遡ると、7月にはMadridでMad Cool Festivalのヘッドライナーを務め、NMEはそのステージを「誰もが楽しめる」パフォーマンスだったと評した。直近ではヨーロッパツアーを続け、ハンガリー・BudapestのSziget Festivalにも出演。NME記者Rhian Dalyの報道によれば、そのステージも彼ら一貫の演劇的な演出スタイルを踏襲し、花火と特殊効果でステージを埋め尽くしたという。クライマックスにはThe White Stripesのボーカル、Jack Whiteが事前収録映像で大型スクリーンに登場し、「TylerとJoshにこれをやることを許可する」と語ると、会場全体が〈Seven Nation Army〉を大合唱した。

旧式のビデオテープ規格とファンの日常を組み合わせて素材を募るこの手法自体が、彼らが近年披露してきたハイクオリティなステージ演出とは対照的だ——一方では花火や著名人のサプライズ出演、もう一方ではファンがminiDVを手に自分の部屋を撮る。この素材が最終的にどのように正式な映像へ編集され、いつ公開されるのかについて、NMEの報道ではこれ以上のスケジュールは示されていない。