今年初めに脳の手術を受けたばかりのChad Gilbertは、その4か月後、電動カートに乗ってテネシー州ナッシュビルのステージに立ち、New Found Gloryの曲を最後まで演奏し切った。それはファンに残した最後の姿の一つとなった。
New Found Gloryは米国時間9月20日、SNSアカウントで声明を発表し、創設メンバーでギタリストのChad Everett Gilbertが死去したことを発表した。享年45歳。声明では「眠っている間に安らかに息を引き取った」とされ、最期は「友人や家族に囲まれ、望んでいた通り妻と母親が付き添っていた」と記されている。声明はまた、訃報が伝わった後、短時間で病院のロビーに大勢の見舞客が詰めかけたことに触れ、「Chadがいかに多くの人に愛されていたかの証だ」としている。
バンドメンバーのJordan Pundik、Ian Grushka、Cyrus Bolooki、Dan O'Connor、そしてGilbertの妻Lisaが連名で寄せた追悼文には、「Chadのギタープレイ、作詞作曲、ユーモア、そして絶えぬ推進力が、この約30年間のNew Found Gloryを形作ってきた」とある。文中ではバンドが12枚以上のアルバムをリリースし、世界中をツアーしてきたことにも触れ、「彼の影響はNew Found Gloryの中に永遠に残り続け、彼の精神は私たちが立つすべてのステージ、奏でるすべての音の中で感じられるだろう」と綴られている。
5年間のがん闘病、今年までスタジオとステージに立ち続けた
Gilbertの闘病は2021年12月に始まった。妻に自宅で倒れているのを発見され、緊急搬送の末、副腎に発生し肝臓へ転移した珍しい腫瘍「褐色細胞腫」と診断された。医師は肝臓の半分、胆嚢、片方の副腎を摘出する手術を行った。翌月、彼は一度「正式にがんに勝った」と発表し、検査結果もクリーンだった。しかし同年後半、医師は今度は彼の脊椎に腫瘍を発見。再び手術を受けて患部の脊椎骨を摘出し、「脊椎のがん細胞は消えた」と語っていた。
だが病はそこで終わらなかった。2026年初め、Gilbertは左手と左足の感覚を徐々に失い搬送され、検査の結果、脳内に3つの腫瘍が見つかり、緊急で脳の手術を受けた。医師はその後、診断をステージ4の副腎皮質がんに改めた。それでも彼はNew Found Gloryの最新アルバム『Listen Up!』の制作に関わり続け、同作は2月にリリースされた。手術から4か月後、彼はナッシュビルで電動カートに乗ってステージに復帰し、ライブをやり遂げた。
Gilbertは1981年フロリダ州生まれ。10代の頃、ハードコアバンドShai Huludのボーカリストとしてキャリアをスタートし、1997年にリリースされた同バンドの重要作『Hearts Once Nourished With Hope And Compassion』に参加した。1990年代後半、フロリダ州コーラル・スプリングスでJordan Pundik、Ian Grushka、Cyrus Bolookiと共にNew Found Gloryを結成し、リードギター、コーラス、主要な作詞作曲を担当した。バンドは1999年に1stアルバム『Nothing Gold Can Stay』、2000年にセルフタイトルアルバムをリリースし、2002年の『Sticks And Stones』で2000年代初頭のポップパンクムーブメントにおける地位を確立した。
バンド活動に加え、Gilbertはポップパンク・ハードコア界で名高いプロデューサーでもあり、A Day To Rememberの『Homesick』や『What Separates Me From You』、H2OやTerrorといったバンドのアルバムを手がけた。個人プロジェクトWhat's Eating Gilbertも手掛け、New Found Gloryのハードコア側プロジェクトInternational Superheroes Of Hardcoreも主導していた。Gilbertの死後、妻Lisa、娘Lily、母親Jackie、兄弟Brianが遺された。