「宇宙を探検し、時間も探検してきた。そして今度は……ディストーションギターを探検する」。95歳のウィリアム・シャトナーは公演前、SNSにそう綴った。この一言は、どんなプレスリリースよりも正確にこの後起こったことを言い表していた。半世紀以上にわたり『スタートレック』のカーク船長役で知られるこの俳優が、9月19日夜、シカゴのPark Westのステージに立ち、ヘヴィメタルを歌い上げたのだ。
このステージはウォーミングアップ公演で、翌日9月20日にDouglass Parkで行われるRiot Fest本番への布石だった。シャトナーは新結成のバンド、The *uckersとともに全6曲を披露。うち3曲は骨太なカバー曲――オジー・オズボーンの《Crazy Train》、メタリカの《Enter Sandman》、モーターヘッドの《Ace Of Spades》だった。残る3曲は、近日発売予定のヘヴィメタルアルバム『What The F Is Heavy Metal?』からのオリジナル曲だ。
The *uckersのメンバー構成自体が、ヘヴィメタル界の人脈リストのようなものだ。ギタリスト兼音楽監督のマーカス・ナンド、Vixenのギタリスト、ブリット・ライトニング、オジー・オズボーンとの共演歴を持つベーシストのフィル・ソウサン、そしてドラマーのフレッド・エイキング。アルバムのゲスト陣も驚くべき顔ぶれで、クイーンのブライアン・メイ、ブラック・サバスのトニー・アイオミ、ジューダス・プリーストのロブ・ハルフォード、ディスターブドのベーシスト、ジョン・モイヤー、そして元スレイヤーのドラマー、デイヴ・ロンバードが名を連ねる。
音楽そのものよりも先に話題を呼んだのは、今夏公表されたシャトナーのRiot Fest楽屋要求リストだった。「多数の」火吹きパフォーマー、ステージまで彼を乗せて運ぶデロリアン、4フィートのポーランドソーセージ、里親を募集中の子犬たち、GWARが制作したオープニング映像、パレット8個分のFaygo炭酸飲料、そしてジョン・スタモス直筆サイン入りのモントリオール・カナディエンズのホッケージャージまで要求していたのだ。
Riot Festでの40分間のステージを終えても、このバンドの活動はまだ終わりそうにない。先月シャトナーはCNNのインタビューで、来春「砂漠のあの音楽祭」で30分間のステージが決定していることをうっかり明かしたようだ。その後、娘のメラニー・シャトナー・グレッチが、彼が指していたのはコーチェラ2027であると確認した。ただし現時点では、コーチェラ側から2027年のラインナップは正式発表されておらず、この砂漠でのステージはまだ未確定のままだ。