そのアルバムを聴くには、まだ起動できるNES本体が必要だった——これがここ3か月、Daydream Plusがファンに課してきた試練だ。デスメタルバンドTomb Moldのメンバーが結成したこのemo math-rockユニットが、8-bitリミックスアルバム『Second Last Day Of Summer: Extended Forecast』をついにストリーミングに解放。古い任天堂ハードを持っていない人でも聴けるようになった。
話は今年7月に遡る。Daydream Plusはファーストアルバム『Second Last Day Of Summer』を発表。Jimmy Eat World、American Footballのようなエモーショナルなラインと、Lightning Bolt、Don Caballero流のmath-rock構造を融合させた、全編インストゥルメンタルの作品だ。バンドはさらにリミックス版『Extended Forecast』を制作し、原曲を8-bitのゲームサウンドとして再構築。参考にしたのはchiptuneユニットのAnamanaguchi、Diasterpeace、そして『ファイナルファンタジーVII』『MOTHER2 ギーグの逆襲(EarthBound)』『ソニックアドベンチャー』といった名作のサウンドトラックだという。
このリミックス版は当初、正常に動作するNESカートリッジのみでリリースされ、完売後、レーベルのRun For Cover Recordsが二度目の再入荷を発表した。予約受付はすでに開始。ストリーミング配信の開始は、カートリッジ完売中の空白を埋める形となり、音楽そのものがハードに縛られなくなった。
バンドメンバーのPayson PowerはかつてNMEの取材で、フィジカルメディアへのこだわりについて語っていた。「実体のあるメディアを所有するのが好きなんだ。それはアーティストへのリスペクトの表れだと思う。特に何でも使い捨ての今の時代においては」。話題はゲーム業界にも及んだ——Rockstar Gamesは11月発売の『GTA 6』に正式なパッケージ版を用意しないことを明らかにし、PlayStationも2028年1月からディスク版の展開を完全に廃止すると発表している。「本当にひどいし、恐ろしいことだと思う」とPowerは語る。「デジタル版を買うということは、いつでも取り消される可能性のあるライセンスを買っているだけなんだ。しかも最近はデイワンアップデートが当たり前になっていて、実際に手に入れているのは削られた不完全な製品だ。これは貪欲さや企業のクソみたいな体質を助長するだけだよ」。
カートリッジからストリーミングへという順番は、ある意味でPowerのこの姿勢そのものを体現している——まずフィジカルな実体を、所有する価値のあるものとして確立させ、ストリーミングはあくまで補完であり、デフォルトの選択肢にはしない、という考え方だ。