板橋の府中15で開催中の「穿越幻境-臺灣原創VR特展進擊中」は、観客をスクリーンの前から物語の空間へと移す展覧会だ。会期は2026年9月11日から11月22日まで、会場は3~5階。高雄市電影館とともに台湾オリジナルの四作品を選んだ。展示エリアは無料で、ヘッドセットを使うVR体験には別途チケットが必要。没入型映像を知りたい人は、二つの参加方法を分けて計画できる。
民俗喜劇、海賊の冒険、身体に近い演劇
徐漢強(John Hsu)の『全能元神宮改造王』は、2017年制作、10分のVR360作品。頭に着ける装置と民俗儀礼の想像力を結びつける。自分の運命を象徴する元神宮に入った主人公は、生活の問題を解決しようとするが、改造によってさらに大きな騒動が起こる。台湾らしい喜劇を通じ、機器の新しさだけでなく、身近な文化的記号から仮想空間へと導く。
『全能元神宮改造王』の体験エリアでは、提灯や文字のデザインが民俗の題材に呼応する。黄丹琪とMorgan Ommerによる『女海盜』は、『成名之路』と『生存守則』の二作品で、それぞれ17分。姚以緹が鄭一嫂を演じる。前作は実写とアニメーションを組み合わせ、続編は4Dviewsのボリュメトリックキャプチャーを導入した。物語も一人の女性の運命から、1809年に海賊勢力が外敵と内部の危機に直面する選択へ進む。続編では捕らわれた通訳者の視点を使い、観客の位置と権力関係を結びつける。
同じヘッドセットでも、鑑賞方法は異なる
河床劇団の郭文泰(Craig Quintero)による『寂靜/A Simple Silence』は、2024年制作、12分のVR360作品。「開房間/Just for You」シリーズが探る、見ることと見られることを引き継ぐ。演劇の距離を視線や身体のすぐそばまで近づけ、海賊物語の冒険のスケールと対照をなす。四作品を同じ訪問で見ると、台湾の作家が民俗、歴史、パフォーマンスから異なる没入の物語を組み立てていることが分かる。
『女海盜』シリーズは立って歩きながら見る動的な体験が推奨されるが、ほかの二つのプログラムまで同じ操作型ゲームというわけではない。主催者は12歳以上を推奨し、上映時間には装着や説明が含まれないため、さらに10~15分ほど見込んでおきたい。展示された衣装、網、道具はデジタルの物語に実物の手掛かりを与える。公開写真には、作品解説と体験エリアの間を移動する来場者の姿が写っている。
衣装や道具の展示前で説明を聞く来場者。チケットと受付はどうする?
『全能元神宮改造王』と『寂靜』の一般料金は各100台湾ドル、『女海盜』シリーズは150台湾ドル。315台湾ドルのセット券は三つのプログラムを各一回体験でき、四回分ではない。別々の日でも利用できるが、座席指定は一度に行う。VRは電子チケットと電子認証のみで、各回の10分前までに受付を済ませ、販売は開始5分前に締め切られる。開始時刻ぎりぎりの到着は避けたい。
府中15は新北市板橋区府中路15号にあり、展示時間は09:30~17:00、11月2日は全日休館。OPENTIX公式プログラムページで日程、残席、変更を確認できる。10月23、24日は台風で中止になったため、選んだ日の告知を出発前に確認したい。一度に全部を見る必要はなく、無料展示を見てから興味のある一本を選ぶことで、作品を連続するゲームのステージとして扱わず、自分の鑑賞ペースを保てる。
公式の展示記録に写る『寂靜』のVR体験風景。