カップの取っ手やスリッパの原料は、華やかな外観以上に使い勝手に関わることがある。iF台北デザインサロンの『粹・本質|2026年iFデザイン賞受賞作品展(V)』が、松山文創園区で10月6〜31日に開催中だ。台湾と世界の受賞50作品を集め、日用品やアウトドア用品から家具、家電まで、具体的な需要と物のライフサイクルへ設計を立ち戻らせる。
本展は50作品、年間シリーズ全体とは別
公式には、4月から続く台湾受賞作品の紹介シリーズの一環とされる。年間では講座3回とテーマ展6回を通じ約500作品の多様な側面を紹介する計画で、『粹・本質』はその一つ。500作品を今回の会場数にしてはいけない。簡潔な設計が本当の需要へどう応えるかを主題に、生活用品、スポーツ、ペット用品、家具を共通の問いで見る。
公式予告の揺れるスローフィーディングボウルは、アルミ合金のボウルと、回収した無垢材端材やアルミを使う台座を組み合わせ、無限記号を形の着想とする。天然竹繊維のカップは持ちやすい本体と穴のある取っ手から考える。食べるペースと日常の携帯という別の行為に素材選択を重ね、既存の器の色を変えるだけではない設計を示す。
公式予告に揺れるスローフィーディングボウルと竹繊維カップ。
竹繊維カップは穴のある取っ手と複数色を備える。コーヒーかすと茶の廃材の行き先
re-ingの竹繊維カップについて、iF公式ショップは竹繊維と植物性でんぷんを材料とし、茶色にはコーヒーかすを混ぜると記載する。寸法8.6×6.2×5.8センチ、重さ54グラム、台湾製、デザインはDOTdesign。取っ手の穴にはひもを付けられ、底には幾何学的な面も見える。これは特定の素材と構造の組み合わせであり、「竹繊維」の全カップが同じ配合という意味ではない。
別の公式予告には茶粉を加えてプラスチック使用を減らすスリッパと、植物由来セルロースの吸湿コーティングを回収原料を含む基材に組み合わせた再生可能な除湿布がある。回収と再利用が足元、収納、日用品へ入り込む例だ。原料の出所、使用後の処理、交換や修理の可否を考えながら見たい。回収原料を使うことと、あらゆる環境で自然分解することは別の論点となる。
別の予告は茶粉入りスリッパと再生可能な除湿布。入場無料、園区と展示室の時間は異なる
会場は松山文創園区・西向製菸工廠2階、iF台北デザインサロンA7 W207。園区住所は台北市信義区光復南路133号。月〜土曜10〜17時、日曜休み、入場無料で最終日は10月31日だ。屋外が24時間開放でも2階のサロンを夜に見られるわけではない。園区全体の開放時間ではなく、展示室の時間で予定を組みたい。
まずiF公式展覧会紹介で主題と予告を見て、気になった製品名を受賞データベースで調べると背景に近づける。公開された製品予告やカップの詳細写真は素材、取っ手、底の構造を見る手掛かりで、本誌が訪ねて撮影した会場風景ではない。購入するなら公式ショップの商品ページと展覧会は分けて考えたい。無料入場は全作品の現地販売を意味せず、寸法や価格、供給状況は商品情報に従う。
詳細写真では底の幾何学的な面が見える。