TIDEZINE.

田湾Gallery EXITの三つの個展、11月21日まで:鄺詠君の昼夜、陳翊朗の守護者、李寧の記憶コラージュ

Gallery EXITの3階と13階で香港の三人のアーティストが同時に個展を開催。公式の作品・展示写真六点を通し、油彩の昼夜、水墨と油彩の人物、版画とコラージュによる記憶の世界をつなぐ。

田湾Gallery EXITの三つの個展、11月21日まで:鄺詠君の昼夜、陳翊朗の守護者、李寧の記憶コラージュ

一つの工業ビルの中で、三つの見方を一つのルートにできる。香港・田湾のGallery EXITでは2026年10月17日から11月21日まで、鄺詠君の「Good Morning, Sweet Dreams – Time Blindness(日出|晚安—延促同時)」、陳翊朗の「Two Kinds of Protection(兩種保護)」、李寧の「No Ground」という三つの個展を同時開催している。鄺の展示は3階、後の二つは13階。同じグループ展ではないが、時間感覚、守護する姿、記憶の再構成から比較の入口が見つかる。

鄺詠君:飛行と遠方が昼夜を曖昧にする

鄺詠君は「Good Morning, Sweet Dreams」シリーズを継続し、飛行、遠くの家族や友人、時間感覚を油彩に取り込む。遠方へ移住した人々を訪ねたい気持ちと、母親が故郷の海南島から送った嵐の前日の夕日写真が創作の手掛かりになった。飛行機に乗ることに結び付いていた不安は、時間、記憶、感情への考察へと移る。英題Time Blindnessは時間の経過や長さを捉えにくい感覚を示し、中国語題の「延促同時」は長い時間と一瞬を完全には切り分けない。

大きな作品の展示写真には、青紫の空、ヤシの木のシルエット、オレンジ色の枠が重なる。実体の壁を持たない入口のような枠が、風景に遠景と室内を思わせる境界を同時に与える。別の「Midnight Sun 04:00」は2025年の油彩・キャンバス作品で、39×39cm。左側の低い太陽から、淡紫の空と下の雲にオレンジやピンクの光が広がる。大作と小品で尺度が変わり、展示作がすべて2026年制作ではないことも分かる。

正方形の画面左側、地平線近くの明るい黄色い太陽から、淡紫の空と下の雲へオレンジピンクの光が広がる。
鄺詠君「Midnight Sun 04:00」、2025年、油彩・キャンバス、39×39cm。

陳翊朗:水墨と油彩で描く二つの保護

陳翊朗にとってGallery EXITで三度目の個展となる「兩種保護」は、水墨と油彩を並べ、仏教や西洋の宗教的な人物を用いて独自の図像世界を築く。作家は二つの素材を異なる創作感覚に結び付ける。技法では、水墨が線やにじみを積み重ねる一方、油彩は塗り、拭き取り、洗い落とすことでも層を作れる。まず白黒の線の密度と、色が身体を背景からどう分けるかを比べ、その後で人物の象徴を読むことができる。

展示写真の白壁には、人物を密な曲線が囲む五点の白黒の正方形作品が並ぶ。対して2026年の「Michael(米迦勒)」は80×60cmの油彩・キャンバス作品で、翼のある身体、直立した剣、頭上から放射する光をオレンジ赤と青の対比で浮かび上がらせる。二つの違いは色の有無だけでなく、輪郭と空間の組み方にもある。前者では細部を目で巡り、後者では中央の人物へと視線が戻る。形式から宗教図像に入る見方だ。

李寧:記憶を版画の断片にし、新しい世界へ

李寧の「No Ground」は、記憶を変化、結合、書き換えのできる素材として扱う。古い版と新たに刻んだ版を凹版・凸版で刷り、その印刷物をコラージュしてエアブラシを加え、文章を通じて映像の物語へ展開する。同名の2026年作品は200×120cmで、動物の頭、触手、円形模様、幾何学的な平面が縦長の画面に重なる。会場の大小の作品と合わせると、部分的な図柄がより大きな架空世界へ育つ様子を観察できる。

Gallery EXITは香港仔・田湾の興和街25号、大生工業大廈にあり、3階と13階の展示エリアをそれぞれ確認したい。通常は火曜から土曜12:00~18:00で、祝日を除き、別途予約による訪問もある。日曜は通常開廊日に含まれない。電話は+852 2541 1299。公式の開催中展示と訪問情報を先に確認できる。色彩、線、コラージュという三つの軸で巡れば、一度の訪問で三人の画面構成を比べられる。

気になるブランドやテーマをフォロー

ブランドのタグやカテゴリーから、自分だけの読み物リストを作りましょう。

関連記事

大館「Molded Minds」陶芸展、11月1日まで:香港の4組が器に顔、動物、釉薬の表情を生む
Art

大館「Molded Minds」陶芸展、11月1日まで:香港の4組が器に顔、動物、釉薬の表情を生む

城舍UrbanRoom.SocialがB Plus Art studio、Ceramic L、Klay and Kay、TOJI JOJOを集め、大館03-101で無料展示。顔を思わせる花器と青黒い釉薬の碗から、形と表面の関係を見る。

OSAKA ART BOOK FAIR 2027初開催へ、約150組が中之島に集う
Art

OSAKA ART BOOK FAIR 2027初開催へ、約150組が中之島に集う

2027年5月28〜30日、大阪市中央公会堂で開催予定。1日券1,000円、出展応募は今年11月15日まで。

ポンピドゥーのMassy新拠点を先行公開、正式開館は2027年春
Art

ポンピドゥーのMassy新拠点を先行公開、正式開館は2027年春

約3万平米に収蔵・修復と公共プログラムを組み合わせるCentre Pompidou Francilien。次の無料プレビューは10月31日〜11月1日。

鳳梨葉を服へ、回路基板を器へ、台湾館の5つの素材転換
Art

鳳梨葉を服へ、回路基板を器へ、台湾館の5つの素材転換

ISLAND UNDER PRESSUREがDYCTEAM、KIMU、張庭瑄、Lulu Lin、YSTUDIOを結ぶ。洪水の泥の釉薬から修理できる眼鏡まで、循環をたどる。

Giorgio Griffa初のアジア個展が大館で開催:色線、裸の布、2026年「Campo blu」、2027年1月30日まで無料
Art

Giorgio Griffa初のアジア個展が大館で開催:色線、裸の布、2026年「Campo blu」、2027年1月30日まで無料

MASSIMODECARLO香港が1970年代から2026年の新作まで4つのシリーズを紹介。公式の作品・展示写真5枚で、折り目、余白、色面が抽象絵画の読み方をどう変えるかを見る。

香港大学「墨韻千年」張焯槐書法展:馬・龍・五福で見る線、2027年1月10日まで無料
Art

香港大学「墨韻千年」張焯槐書法展:馬・龍・五福で見る線、2027年1月10日まで無料

香港大学美術博物館が張焯槐の多様な書体を紹介。公式作品画像5点で字形、余白、縦横の比率を比較し、無料入場、開館時間、11月のガイド情報をまとめる。