ロバート・デ・ニーロは今回の事業拡大について語る際、まず胸中にわだかまっていた一件から切り出した。長年、多くのデベロッパーがNobuの名前を自社物件の外壁に掲げ、高級感を演出してきたが、実際にはブランドと正式に協業していないケースが少なくなかったという。今回のエジプト案件でNobu Hospitalityが目指すのは、単なる名義貸しではなく、実質的な所有権とデザインへの発言権を伴う真のパートナーシップだ。
Nobu Hospitality共同創業者のロバート・デ・ニーロとメイア・テパー、そしてCEOのトレバー・ホーウェルは、エジプトの不動産会社SODICと手を組み、3都市にまたがる大規模開発計画を発表した。内容はホテル、ブランドレジデンス、シグネチャーレストランを含み、展開先はニューカイロ、地中海沿岸のラス・エル・ヘクマ、西カイロのニュー・ザイードとなる。
ニューカイロはまずレストランから、ホテルは2027年開業予定
ニューカイロのイーストタウン地区では、将来のホテル開業に先駆けてシグネチャーレストランがすでにオープンしている。ホテル本体は2027年の開業を予定している。
地中海沿岸「OGAMI」、440エーカーの海辺コミュニティはRockwell Groupが設計
ラス・エル・ヘクマの拠点では、Nobu Hospitalityが総面積440エーカーに及ぶ大規模開発案「OGAMI」の中核ブランドを担う。現在この海辺の敷地ではすでに季節限定レストランが営業しており、今後ホテルとブランドレジデンスが加わる予定だ。全体のデザインはRockwell Groupが手がけ、日本的なミニマリズムと地中海の雰囲気を融合させ、ブランドが一貫して掲げる「Kokoro」のおもてなし哲学を体現している。このマスタープランは先ごろ「2025 Architecture Leaders Awards」でも受賞を果たした。
3つ目の拠点は西カイロのニュー・ザイードで、ホテル客室とプライベートレジデンスを提供する。所在地はピラミッドやグランド・エジプト博物館から車で約20分の距離にある。テパー氏によれば、単体ホテルから総合的なライフスタイルコミュニティへというブランドの転換は、いわば自然な流れだったという。過去のホテル案件が成功を収めた後、ブランドレジデンス付きのタワー開発を望む声が自ずと寄せられるようになったからだ。
Nobuという名前の始まりは1980年代末に遡る。当時デ・ニーロは、シェフのノブ・マツヒサがロサンゼルスに構えるレストランの向かいに住んでいた。両者は1994年にニューヨークで初の共同店舗をオープンさせ、以来Nobuは世界中に約60の飲食拠点を展開するまでに成長、宿泊事業の版図も拡大を続けている。今回のエジプトにおける統合型コミュニティ開発は、単店経営の飲食ブランドから大規模不動産事業へと歩みを進める、ブランドにとって節目となる展開と見られている。
現時点で提供された資料には、エジプト3拠点の詳細な価格帯や客室仕様は含まれていない。詳細については、ブランドとSODICから今後発表される見込みだ。