同じ一本の蒸留酒でも、香水の棚に潜り込むこともできれば、市場の食材棚に潜り込むこともできる。まさにこれが、ギリシャの Skinos Mastiha Spirit が今回台北で仕掛けたことだ——キオス島(Chios)産で、松の木や草本、ミネラル感を帯びた「Mastiha(マスティハ樹脂)」を骨格に、まったく異なる個性を持つ2つのバーに声をかけ、それぞれ4種ずつ、計8種のスペシャルカクテルを作り上げた。これが「From Chios to Taipei|キオス島から台北へ」という企画だ。
イベントは2026年8月1日から8月31日まで、Testing Room と The Public House で同時開催され、Skinos が台湾で初めて手がける期間限定コラボレーションとなる。
Testing Room:カクテルを香水のように前調・中調・後調に分解
風味の実験を得意とする Testing Room は、今回香水の「トップノート・ミドルノート・ラストノート」という構造を、そのままカクテルのロジックに落とし込んだ。「Skinos Rickey」は定番の Rickey から派生させたもので、フレッシュライムジュースと炭酸がマスティハの松の木感とミネラル感を引き立てる。「Garrigue」は地中海の低木にちなんで名付けられ、シェリー酒、ローズマリー、ピンクペッパーが陽光と潮風の層を積み重ねる。「Aegean Sillage」はグレープフルーツのほろ苦さから始まり、中盤でグアバの果実香と淡いミルク感に移り、最後はベチバーの深い土の香りで締めくくられる。「Chios Tini」は Martini と Francis Albert をアレンジしたもので、ジン、ライウイスキー、ジャスミンティーが絡み合い、スパイシーで落ち着いた森の気配を醸し出す。この4杯を順に飲んでいくと、まるで一本の香水が噴射されてから揮発していく過程をたどるような体験になる。

The Public House:キオス島を台湾の味覚の記憶に接ぎ木する
The Public House のアプローチはまったく正反対で、Skinos を台湾でおなじみの食材棚に直接組み込んでいる。文山包種茶、紅烏龍、パイナップル、小豆、スイカ、巨峰ぶどうといった素材を一つずつ、地中海のハーブとぶつけ合わせた。「Layover Martini」はスモークしたミニトマトウォーターをベースに、ジンと Skinos の骨格の上に、すっきりとした塩味と旨味の余韻を重ねる。「Aegean Highball」は Skinos をあらかじめ包種茶に浸漬させ、焼酎とスイカの炭酸を合わせることで、軽やかでミネラル感のある味わいに仕上げる。「Glaze Gimlet」は紅烏龍、クリアなパイナップルジュース、フィノ・シェリーを透明な酒体にまとめ、台湾スイーツの記憶を呼び覚ます。「Murex Old Fashioned」は地中海の古代紫色染料にちなんで名付けられ、ダークラム、カカオハスクを蒸留したホワイトラム、巨峰ぶどうが熟した果実の香りとカカオの余韻を積み重ねる、4杯の中で最も重厚な一杯だ。
期間中、同じテーブルで指定の Skinos スペシャルカクテルを4種類すべて注文すると、Skinos Mastiha Spirit 50mlのミニボトルが1本プレゼントされる。各店舗50本限定で、なくなり次第終了。同じ一本の蒸留酒から生まれた2通りの答え、飲み比べてみる価値は十分にある。






