ベルリンツアーの最中に送られてきた1本の音源ファイルから、わずか2週間でEP1枚分が埋まった。これがCakes Da KillaとDJ Miss Parkerによる『NEW BITCH』の始まりだ——企画会議ではなく、Miss ParkerがNowadaysで友人Byrell The Greatに自作のビートについて話したことがきっかけだった。帰宅後の2ヶ月間で5、6曲のデモが出来上がり、彼女はベルリンにいたCakesにメールを送った。
「あのビッチ、ビートも作れるのか?」Cakes Da KillaはThe FADERのインタビューでその時の反応をこう振り返る。当時、あるプロデューサーの友人宅に泊まっていた彼は、1曲目を再生して「結構いいじゃん」と思い、2曲目で「いける」と確信。友人が部屋から出てきて何を聴いているのか尋ねてきたほどだった。8つのビートすべてにボーカルを録り終え、「本当にそれだけのことだった」と語る。一方Miss Parkerは「完全に度肝を抜かれた」と言い、2週間でほぼ完成した1枚のアルバムを受け取ったという。
二人はインタビューの中で、ある現象を直接指摘した。ダンスミュージックシーンでは、ボーカル入りの曲は「気が散る」というレッテルを貼られがちで、現代のDJセットから排除されがちだという。Cakes Da Killaはこれに納得しない。「ダンスミュージックでボーカルが減っているのは、DJたちがボーカル入りのレコードのミックスの仕方をそもそも分かっていないからだ。それ以外の理由じゃない」。彼は、一晩中ドローン系の音楽を積み重ねていくのは「はっきり言ってカルトっぽい」と言い、二人は思わず笑い合った。
Miss Parkerは付け加えて、自分のセットには必ずボーカル曲を織り交ぜるという。「ああいうドローン系の音楽は誰にでも受け入れられるものじゃない」。ボーカルはむしろ、プレイ中に物語を紡ぎ、観客が共感できる入り口を作る手段だと語る。彼女はこの流れをクィアクラブ史の文脈に位置づける:Kevin AvianceとSweet Pussy Paulineが確立した「ビッチトラック」というスタイルはボールルーム文化に端を発しており、「ほとんどの人はKevin Avianceのような音楽を作る勇気なんてない——彼の歌い方、態度、言葉の発し方は、生々しくて強烈だった」。彼女は〈Cunty (The Feeling)〉を例に挙げ、「どんなパーティーでかけても、会場全体が盛り上がる」と語った。
Cakes Da Killaはこの問題を、ダンスミュージック史そのものの記憶の問題として捉え直す。「ダンスミュージックの空間からボーカルが失われることは、間違いなくダンスミュージックの歴史を消し去ることになる。僕らにはMartha Washの声があり、こうした力強いブラック女性やクィアのクリエイターたちがいる。彼らは会話から締め出されるべきじゃない」。インタビューの最後、Miss Parkerは率直な呼びかけを残した。「DJのみなさん、ミックスの仕方を学んで。フレージングを学んで。お願いだから」。
EP『NEW BITCH』は全8曲収録。DJ Miss Parkerがプロデュースを手がけ、Cakes Da Killaが全編でボーカルを務めている。