集合写真で一番厄介なのは構図ではなく、カメラを誰に追わせるかという判断だ。SamsungのMy FanCamは、この判断を後回しにできる機能。撮影中に人を追いかける必要はなく、まずシーン全体を画面に収めておけば、後からGalaxy AIが一人を選び出し、その人を追う映像として再トリミングしてくれる。
この機能はSamsung Galleryの編集ツールに搭載されている。操作はシンプルで、Galleryを開いて撮影済みの動画を選び、Galaxy AIアイコンをタップしてMy FanCamを選択。Galaxy AIが画面内の人物を認識するのを待ってから、追いかけたい対象を選び、アスペクト比を選んで、最後にFollowを押せば、再トリミングされた動画が生成される。この一連の流れはすべて撮影後に行うもので、撮影前に別途設定をオンにしておく必要はない。

アスペクト比は編集時に決めればいい
アスペクト比の選択は、動画を最終的にどこに投稿するかによって変わってくる。縦型トリミングは縦型動画中心のプラットフォームに向いており、横長画面ならより多くの元のシーンを残せる。My FanCamは撮影後の処理なので、この判断は編集時まで持ち越せる。撮影中にあらかじめ決めておく必要はない。

これはSamsung既存のAuto framingとの最大の違いでもある。Auto framingは録画中にリアルタイムで構図を調整するのに対し、My FanCamは録画を終えてから作業を始める。つまりAuto framingは撮影中に人物を画面中央に保つ役割を担い、My FanCamはまず広めに撮ってシーン全体を収めておき、後から誰を追うか決められるようにする役割を果たす。
Samsungも注意点を挙げている。My FanCamで再トリミングできる範囲は、あくまで元の動画に実際に写っている映像に限られる。撮影時にカメラが広めに構えていれば、Galaxy AIが後からトリミング枠を動かせる余地は大きくなるが、最初からタイトに撮ってしまうと使える映像はおのずと限られる。主役が撮影中にすでにフレームの外に出てしまっていた場合、My FanCamも撮れていない映像を作り出すことはできない。また、追跡できる対象が見つからない場合はこの機能自体が起動せず、追跡の精度も保証されているわけではないという。球技の試合や団体パフォーマンスのように動きが読みにくい場面では、撮影時点で残したい人物をしっかりフレーム内に収めておくのが無難だとSamsungは説明している。

対応機種は?
現時点でSamsungがMy FanCamを披露している機種はGalaxy Z Fold8とGalaxy Z Fold8 Ultraで、いずれもOne UI 9を搭載しており、My FanCamは今回のアップデートで加わったGalaxy AIの新機能の一つに数えられている。One UI 9自体はこの2機種だけでなく、Samsungはすでに Galaxy Z Fold8 Ultra、Galaxy Z Fold8、Galaxy Z Flip8への配信を開始しており、今後さらに対応機種が増える見込みだ。ただしMy FanCamが同時に使えるようになるかどうかは別問題で、SamsungはGalaxy AIの個々の機能はデバイス、言語、地域によって異なると説明している。つまり、One UI 9にアップデートしたからといって、必ずしもMy FanCamが利用できるとは限らない。