華やかな衣装の喜劇から、ひげを剃る日常の疑問まで。香港はフランス映画の中で異なる姿を見せる。香港フランス文化協会主催の第55回香港フランス映画祭は、2026年11月11日から12月9日まで、8会場で50本超を上映予定だ。「French Frames in Hong Kong/法影香江」は、香港を銀幕に映したフランス作品を振り返る特集。異なる作風の3本で、自分の鑑賞ルートを組み立てられる。
「La moustache」(2005)は日常のひげ剃りから記憶と認知への疑問を始める。
外見と日常空間から始まる喜劇と心理劇
喜劇から入るなら「Chinese Adventures in China」(1965、香港題「烏龍王大鬧香港」)。Philippe de Broca監督、Jean-Paul Belmondo主演、110分。香港へ向かう船旅を起点に、人生に飽いた富豪が思いがけない生き残りの冒険へ巻き込まれる。公式スチールには鮮やかな衣装や頭飾り、狭い寝台の空間に収まる人物が写る。これは喜劇を生む造形と空間であり、そのまま都市生活の記録と見るべきものではない。
「Chinese Adventures in China」の別スチール。狭い寝台空間が喜劇の場になる。