Crypto.com Arenaへレイカーズやキングスの試合を観に行く際、将来は110号線の渋滞にはまらずに済むかもしれない――AEGと電動エアタクシー企業Archer Aviationが複数年にわたる提携を発表した。ロサンゼルスのスポーツ・エンターテインメント複合施設「L.A. Live」に、市中心初となる「バーティポート」、すなわち電動垂直離着陸機専用の発着場を建設する計画だ。
Archerの「Midnight」機は最大4名の乗客を乗せ、最高時速150マイルで飛行可能。同社によれば、従来のヘリコプターより静音性が高く、運航時のカーボン排出はゼロだという。今回の提携で想定されている利用シーンは具体的だ。渋滞にはまれば車で2時間かかるような区間も、Midnightなら10〜20分のポイント・トゥ・ポイント飛行で移動できるという。
両社によると、AEGとArcherはすでに発着場に関する初期実行可能性調査を完了しており、土地利用、空域審査、電力供給、地域社会への影響評価などが含まれる。現在は第2段階に入り、実際の運航方法や利用者体験について検討を進めている。発着場をL.A. Live敷地内のどこに設置するかは、まだ決定していない。
AEG Global Partnershipsが仲介したこの契約により、ArcherはL.A. Liveの独占エアタクシー・パートナーに指定される。AEG Global Partnerships社長兼COOのニック・ベイカー氏は声明で「Archerとともにこのプロジェクトを推進し、当施設が主催する大型スポーツ・ライブエンターテインメントイベントにおけるファン体験を向上させられることを楽しみにしている」と述べた。同氏はこれを「インフラとテクノロジーを融合させ、ファンや来場者、周辺地域に貢献する取り組み」と表現した。
L.A. Liveの施設内にはCrypto.com Arenaのほか、Peacock Theater、The Novo、Regalのシネマコンプレックス、グラミー・ミュージアム、複数のレストランやバーがあり、近隣にはロサンゼルス・コンベンションセンターもある。Archerは2028年ロサンゼルス五輪およびアメリカ代表チームの公式エアタクシー・サプライヤーにも選定されており、大会時には市中心部が18種目の五輪・パラリンピック競技の中心エリアとなる予定だ。
Archerの創業者兼CEOであるアダム・ゴールドスタイン氏は次のように語った。「LA28大会を目前に控えたこの時期に、ロサンゼルスのエアタクシー網に旗艦級となる市中心の拠点を加えられることは、またとない機会だと考えている。AEGとともにL.A. Liveという象徴的なバーティポートを実現することで、南カリフォルニアが完全電動飛行の次の段階へ進むために必要なインフラ整備を、引き続き進めていくことができる」
Archerが計画するロサンゼルスの航路網には、他にもSoFiスタジアム、南カリフォルニア大学、ロサンゼルス国際空港、ハリウッド・バーバンク空港、さらにサンタモニカやオレンジカウンティの一部地域が含まれる予定で、最近買収したホーソーン空港が全体の運航拠点となる。現在、Midnight機1機がL.A. Liveで火曜日まで展示されている。発着場の正確な位置や運用開始時期、料金などの詳細については、両社ともまだ発表していない。