ポケットに1パウンド分の100ドル札を詰め込んだら、一体いくらになるのか——この換算問題は算数の教科書からではなく、Rio Da Yung OGが新曲の中で投げかけた比喩そのものだ。札束を体重計に乗せるという発想、狂っているようで意外と具体的でもある。
ミシガン州Flint出身、多作ぶりで知られるこのラッパーが、2026年9月11日発売予定のアルバム『The World Is Yours』のリード曲として新曲「Finna Drop (Tour)」を解禁した。マイナー調のピアノループの上に、息つく間もない808ベースが敷かれ、Rioのフロウは相変わらずビートを押し込むように前へ前へと突き進む。“Confident, I'll get in a ring with a boxer / If he hit me too hard, I'ma swing then pop him”という一節が、殴られるとわかっていても打ち返すというその凄みをストレートに物語っている。
『The FADER』の記者Vivian Medithiは去年秋、Rioに一日密着し、On the Radar RadioやEMPIREのスタジオにも何度か同行した。彼女はその記事で、Rioの十八番——コーラス前に突然倍速に切り替わったり、ヴァースの途中でドラムに引っかかるように転調したりする手法——は聴き慣れているはずなのに、それでも「Finna Drop (Tour)」には意外性があったと述べている。どこが違うのかは言葉にできないが、とにかく新たな角度をまた見つけた、とのことだ。